宇宙科学振興会は、宇宙科学(宇宙理学、宇宙工学を含む)に関する事業への援助及び研究助成等を行い、もって宇宙科学の進展に寄与することを目的として、1990年6月に財団法人として設立され、財団法人の制度改革により、2012年4月より公益財団法人に移行したものです。この間、関本忠弘理事長(1990年6月~2000年6月)、武井俊文理事長(2000年6月~2012年3月)、松尾弘毅理事長(2012年4月~2025年6月)のもとでその本分を尽くしてまいりましたが、此の度、私が理事長職を引き継ぐことになりました。
本財団の設立の趣旨は、宇宙科学(宇宙理工学)研究の進展を支援するものです。言うまでもなく、科学研究は、我々がおかれているこの世界を理解し、健康で豊かな生活環境を作り出し、平和で持続性のある未来を創っていく原動力となるものです。なかでも、資源、エネルギー、環境等に関する全地球規模でのいくつもの問題が深刻化する今、宇宙空間におけるさまざまな活動の範囲を広げる宇宙工学研究や、地球・惑星・宇宙の理解を深める宇宙理学研究は、それらの重要性がますます大きくなる分野と考えられます。我が国においては、宇宙科学研究所を中心に、先進的宇宙工学研究が推進され、さまざまな理学研究目的の科学衛星・探査機が開発されて、大きな科学的成果を次々と生み出し、高い国際的評価を得てきています。宇宙科学振興会としましては、この日本の宇宙科学研究が、人類の明るい未来に向けてさらに大きな貢献をしていくことを期待し、できる限りの支援を行ってまいります。
本振興会においては、宇宙科学分野における若手研究者に対する顕彰事業、研究者の国際学会参加への支援、国際学会・研究会の国内での開催の支援、等々設立の趣旨に則った公益目的事業としての活動を行っておりますが、これらの事業は、多くの企業から出捐いただいた資金を元手としております。それらの資金の堅実な運用に工夫を凝らし、事業のさらなる発展に尽力して参りますので、今後とも、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。